大判例

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名古屋高等裁判所金沢支部 昭和33年(う)17号 判決

弁護人及び被告人の控訴趣意は各提出の控訴趣意書記載のとおりであるから、いずれもこれを引用する。

所論は要するに被告人の所為は其の営業とする売薬行為にすぎず医師法第十七条にいわゆる医業に該当しないとの主張に帰する。よつて審按するに、原判決挙示の証拠並びに当審における被告人の供述を綜合すれば被告人は医師の免許を受けていないのに疾病治療の目的を以て原判示のように大門けす外三名に対し血圧計を使用して血圧の高低を診断すると共に患者の症状を診察し、その病状に適応するものと思料した売薬を指示販売したものであることが明らかである。ところで一般に医業とは主観的には人の疾病治療を目的とすること客観的には医業の専門知識を基礎とする経験と技能とを用いて診断、処方、投薬、外科的手術等の治療行為の一若くはそれ以上を行うことを業とすることを謂うのであるから医師の免許を受けていない被告の前記所為は疾病の治療を目的として大門けす外三名に対し診断投薬をなすを業としたものに該当し医師法第十七条に牴触することが明らかである。弁護人は「被告人のなした血圧の測定は単に被告人の商売上のサービスにすぎない」旨主張するけれども被告人がたとえ商売上のサービスのつもりで無報酬でそのような行為をしたとしても前記認定の行為は同法第十七条の医業たることを妨げないのである。それ故論旨はいずれも理由がない。

(裁判長裁判官 山田義盛 裁判官 沢田哲夫 裁判官 辻三雄)

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